黒田雅之(川崎新田)が保持する日本ライトフライ級タイトルの2度目の防衛戦を迎える。8月の初防衛戦では佐野友樹(松田)に苦戦を強いられ、判定は2-1と割れた。思うようなボクシングを表現できず、試合後の黒田に笑顔はなかった。それでも、自慢の強打を佐野の足に封じられながらも「最後まで自分なりに我慢しながら戦うことはできたのかな、とは思う」と自己評価したとおり、粘り強く攻めて競り勝てた経験は、きっと大きかったに違いない。
今回の挑戦者・山口隼人(TEAM 10 COUNT)も佐野と同様、アマチュアをバックボーンに持つ。ここまでKO勝ちはないが、中間距離を得意とし、左ジャブを軸にコツコツと多彩なパンチを当てていく。2007年、高校3年時の選抜ではバンタム級で決勝に進出。この年、高校3冠を達成することになる岩佐亮佑(セレス/当時・習志野高校)に3回RSCで敗れ、結果は準優勝だった。2008年6月、日本武道館でのプロデビュー戦は現・日本スーパーフライ級9位の野崎雅光(八王子中屋)に判定で敗れ、いきなりつまづいたが、2度目の挑戦を実らせ、昨年、全日本ライトフライ級新人王を勝ち獲った。7月の前戦で初めて8回戦のリングに上がり、当時、日本ミニマム級8位の濱中優一(国際)と7回負傷引分。デビュー3年半で掴んだ大舞台が、それ以来のリングになる。
黒田の川崎新田ジムは川崎市に、山口のTEAM
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COUNTジムは平塚市にジムを構える。サッカー風に表現すれば“神奈川ダービー”となるこのタイトルマッチは、挑戦者のキャリア不足が否めない顔合わせだ。勝敗を予想するならば、着実にキャリアアップしてきたチャンピオン優位に大きく傾けざるを得ない。山口としては、黒田の強打をもらわないように、丁寧に試合を進めながら焦りを誘い、勝機を見出したいところ。逆に“世界”を目標に据える黒田としては、経験の違いをそのままリングで見せつけなければならない試合になる。会場は初防衛戦に続いて、地元・川崎市とどろきアリーナ。地域密着を掲げる川崎新田ジムのエースは、快勝で地元ファンの声援に応えることができるか。
<インフォメーション>
◎11月23日(水・祝) 「ホープフルファイトvol.9」 開場:11時30分 開始:12時
会 場:川崎市とどろきアリーナ メインアリーナ
(神奈川県川崎市中原区等々力1-3)
アクセス
http://homepage2.nifty.com/todorokiarena1/4access_folder/access1.html
※今回も、川崎市内の小中学生は2階自由席(先着)での観戦が無料(小学生は保護者同伴の上、保護者の身分証提示が、 中学生は生徒手帳等の本人の身分証の提示が必要)。
前回に続き、試合前にイベントも開催。『スポーツボクシングイベント』
として、リング上でエクササイズやミット打ち体験(午前10時〜11時に試合前のリングを開放)が、また、とどろきアリーナ広場前では『秋祭り』として、楽しい出店やボクシング体験教室などが行なわれる(午前10時〜12時の予定)。