Mail

   All About the Sport                                                   専門情報サイト「ボクシング・ジーン」
Boxing-Zine


8月31日 東京・日本武道館 WBA世界スーパーフライ級タイトルマッチ

チャンピオン
(メキシコ) ウーゴ・カサレス
Hugo Casarez

挑戦者4位
清水 智信 (金子)
しみず・とものぶ
no image
1978年3月24日
/メキシコ・ロスチモス
生年月日/出身地 1981年6月28日/福井県
165p 身長 167 cm
7戦2勝5敗 アマ戦績 78戦68勝(25KO・RSC)10敗
プロデビュー 2004年3月12日
43戦35勝(25KO)6敗2分 プロ戦績 22戦18勝(9KO)3敗1分
右ボクサーファイター タイプ 右ボクサーファイター
 清水智信は1階級上げてウーゴ・カサレスに挑む。清水にとっては07年のポンサクレック・ウォンジョンカム、08年の内藤大助に続く3度目の世界挑戦だ。
 清水のスタイリッシュなアウトボクシングはそのルックスと同様に涼しげで、清水以前に日本のフライ級を引っ張ってきた内藤や坂田健史とは違った味わいを醸し出してきた。さらにここ数年で力強さも身に付け、非力というイメージからも徐々に抜け出している。
 カサレスはご存じの通り、名城信男と久高寛之という2人の日本人選手を退け、今回で5度目の防衛戦を迎えるチャンピオンだ。強打を武器にしながら、スイッチによる撹乱戦法も得意にしており、なかなかしたたかなボクサーでもある。
 試合のカギは清水のジャブが当たるかどうか。最近は接近戦も苦にしなくなったとはいえ、清水の生命線はあの長くてスピード感のあるジャブだ。ジャブさえ当てれば、清水はそこからきっちり試合を組み立てられるだろう。試合運びのうまいカサレスを相手であってもそれは可能だと思う。
 名城や久高に比べ、清水はより引き出しが多く、ボクシングの完成度も高いように思う。アマ78戦、プロ22戦というキャリアを積み、6月には30歳にもなった。日本タイトルを獲得しないままポンサクレックへの挑戦が決まり「もっと手順を踏んでから……」と複雑な表情を浮かべて敵地に乗り込んだ若者の姿はもうない。脂が乗り切った今こそ世界タイトルを手にするときだ。
(渋谷)
8月31日 東京・日本武道館 WBA世界バンタム級タイトルマッチ

チャンピオン
 (亀田) 亀田 興毅
かめだ・こうき

同級6位
デビッド・デラモラ(メキシコ) 
no image
1986年11月17日/大阪府 生年月日/出身地 1988年6月3日
/メキシコ・バハカリフォルニア
167p 身長 163p
16戦15勝1敗 アマ戦績 85戦75勝10敗
2003年12月21日 プロデビュー

 

26戦25勝(16KO)1敗 プロ戦績 23戦23勝(16KO)
左ボクサーファイター タイプ 右ボクサーファイター

 亀田興毅の2度目の防衛戦である。挑戦者はWBAバンタム級6位デビッド・デラモラ。23歳のメキシコ人で戦績は23戦23勝(16KO)無敗。23歳と若く、無敗でKO率も高い。その実力は……。
 最新の映像を見ていないので何とも言えないところはあるのだが、デラモラは基本的には好戦的なタイプのボクサーだ。あまりジャブを打たず、いきなり右ストレートや左フックから入って、当たればグイグイと攻め立てる。メキシカンらしく中間距離からのボディーブローはうまい。いずれにせよ、どちらかといえばスイングが大きく、ラフな印象を与えるボクサーである。ただし体は小さく、パンチもさほどないため「パワフル」という印象は受けなかった。
 亀田の対戦相手には「非力で小さい」という共通項がある(すべてとは言わないが)。亀田陣営はパンチのある選手をていねいに避けるのだ。映像を見る限り、今回のデラモラもそのカテゴリーから逸脱しないボクサーだと言えるだろう。
 ガードが固く、スピードでデラモラを上回る亀田なら判定勝ちを引き寄せるのはたやすいのではないか。つまり期待されるのはKO勝利。思いきったマッチメークを提供できない分、少なくともリング上では思い切りのいいパフォーマンスを見せてほしい。
(渋谷)
8月16日 川崎・とどろきアリーナ 日本ライトフライ級タイトルマッチ

チャンピオン
 (川崎新田) 黒田 雅之
くろだ・まさゆき

同級1位
佐野 友樹(松田) 
さの・ゆうき
1986年7月17日/東京都 生年月日/出身地 1982年1月6日/愛知県
167p 身長 165.4p
3戦1勝2敗 アマ戦績 64戦45勝19敗
2005年12月3日 プロデビュー

 2004年2月29日

22戦19勝(13KO)3敗 プロ戦績 20戦16勝(11KO)1敗3分
右ボクサーファイター タイプ 右ボクサーファイター

Jリーグのサポーターが、ボクシングの試合会場でボクサーに声援を送る――。一体、誰がそんなことを想像しただろうか。

 地元地域に密着した活動に積極的に取り組み続けている川崎新田ジムの、ひとつの成果と言えるのだろう。数年前からJリーグ・川崎フロンターレの試合前イベントなどに川崎新田ジムの選手たちが参加し、ボクシング教室を開催するようになってから、後楽園ホールで同ジムの選手を応援するフロンターレサポーターたちの姿が見られるようになった。それぞれのジムの経営努力と言えば、それで終わってしまうが、「地域」をキーワードに他のスポーツ界との交流が生まれ、結果として新たな客層を開拓することにつながった、これからのボクシングジムのひとつの指針にもなるケースなのではないだろうか。

 その川崎新田ジム初の日本王者である黒田雅之の初防衛戦が、川崎市とどろきアリーナで行なわれる。ジムとしては初めての地元会場での主催興行でチャンピオンを地元に披露できる、絶好の舞台となった。また、この会場では東日本大震災の被災者を受け入れていた4月29日に、川崎新田ジムが同じ川崎市の北澤ボクシングジム、フロンターレと協力し、身を寄せていた避難者の方たちのストレス解消や運動不足解消のためのボクシング教室が行なわれており、ジムの地域活動の象徴とも言える場所なのである。そして、フロンターレのホームグラウンドである等々力陸上競技場と目と鼻の先でもあり、フロンターレのサポーターがどれくらい集まってくれるのかも興味深いところだ。

 さて、その黒田の初防衛戦であるが、正直、予想の難しい拮抗した展開になりそうだ。

 挑戦者の佐野友樹は、沖縄尚学高校から東洋大学にかけて豊富なアマチュアキャリアを誇リ、プロでも堅実なキャリアを積み重ねてきている強豪である。元東洋太平洋王者で世界ランカーのベテラン・家住勝彦(レイスポーツ)との決定戦を5月に制した黒田だが、積年の課題は宿題として残したように思う。つまり、「左で自分の距離をつくってカウンター」と黒田が常々語っているスタイルの確立である。ただし、その試合後「日本タイトルはあくまでスタートライン。世界を獲らないと意味がない」と、熱い思いをぶちまけた黒田の強い気持ちは存分に示された試合ではあった。持ち前の軽量級離れした強打は、もちろん健在。スタートラインから最終目標の世界に向けて黒田が力強く第1歩を踏み出し、決意を形として示すことができるのか……。ただし、29歳での初挑戦が、世界につながる道のりの入口であるとの思いは佐野も同じ。佐野も右に一発を秘めており、やはり強打者同士、予断を許さない展開になるだろう。

※なお、川崎市内の小中学生は2階自由席(先着)での観戦が無料(小学生は保護者同伴の上、保護者の身分証提示が、中学生は生徒手帳等の本人の身分証の提示が必要)。

※また、15時30分から試合開始の18時までとどろきアリーナ広場前でイベントが行なわれる。詳しくは川崎新田ジムHPを参照。

 http://nittagym.com/grand/ticket
(船橋)
8月10日 東京・後楽園ホール WBC世界ミニマム級タイトルマッチ

チャンピオン
 (井岡) 井岡 一翔
いおか・かずと

WBC1位
ファン・エルナンデス(メキシコ) 
Juan Hernandez
1989年3月24日/大阪府堺市 生年月日/出身地 1987年2月24日/メキシコ・ミチョアカン
165p 身長 159p
105戦95勝(64KO・RSC) 10敗 アマ戦績
2009年4月12日 プロデビュー

 2004年3月25日

7戦7勝(5KO) プロ戦績 19戦18勝(13KO)1KO
右ボクサーファイター タイプ 右ボクサーファイター

 今年2月に日本最短記録を更新するプロ7戦目で世界王座に到達した井岡一翔が、その初防衛戦で1位の指名挑戦者、ファン・エルナンデスを迎え撃つ。
 アマチュア時代からその名を轟かせ、プロのリングでもベストタイミングをつくり出す卓越したセンスを披露してきたサラブレッドは、ボクシング界の期待という大きなプレッシャーの中で、見事快挙を成し遂げた。しかも従来のライトフライ級から1階級下げたミニマム級で、減量の影響が心配される中での勝利である。その試合、ディフェンシブなサウスポー王者オーレドン・シットサマーチャイを相手に距離を保ちながら圧力をかけて、2回にショートの左カウンター一発でダウンを奪った。3,4ラウンドは攻め急がずに手数がやや少ない感があり、4回終了時点のスコアは2−1。しかし5回に衝撃的なラストシーンを演出してみせる。バックステップを踏みながらの左ショートでボディをドスン! 一瞬おいてキャンバスに崩れおちたタイ人は、起き上がることができなかった。
 こうして井岡は22歳、7戦目にしてチャンピオンになったわけだが、だから、王者ではあってもまだまだ「経験」を積んでいく段階にある。7戦全勝のうちに戴冠したとはいえ、その過程ではインドネシアとフィリピンのベテランを相手にもたついたこともあった。これからベルトを狙ってくるツワモノたちを撃破しつつ、能力のほどを証明していかなければならないのだ。今回の相手となるWBC1位で前北米王者のエルナンデスは、少ない情報を総合すると、短躯ながら足を使うタイプ。最軽量級にして7割近いKO率も気になるところだが、どんなタイプであろうと、若きチャンピオンがいかに組み立て、いかに対応してみせるかが、興味の的になる。メキシカンが初遠征なら、井岡も初めての聖地・後楽園ホールへのお目見えだ。ホールのファンにしっかりとアピールしてほしい。
 
 またこの前座では、今一番のホープ、日本ライト級10位の土屋修平(角海老宝石)が登場する。さる6月度発表分で念願の日本ランク入りを果たし、現在日本スーパーフェザー級10位の福原寛人(江見)を岡山から迎えて、初のランカー対決となる。落ち着き払った試合はこびと破壊力抜群のパンチが魅力の土屋は、昨年の全日本新人王獲得後、今年5月にはモンゴル人でタフでパンチもある打馬王那(ワタナベ)と対戦。ガツガツ左右を振るう打馬を初回に一度倒したものの、逆に被弾する場面もあった。3回には見事な詰めをみせてストップ勝ち。全KO勝記録を10戦10勝10KOに伸ばしている。今回も土屋が中盤までに強打をさく裂させる、というのが、順当な予想だろう。2004年の全日本新人王準優勝、その後も西日本であまたのランカークラスと渡り合ってきたキャリア(25戦13勝5KO4敗8分)をもつ福原は、どれだけ無傷のホープに意地をみせるのか。
(宮田)
8月8日 東京・後楽園ホール 日本ミドル級タイトルマッチ

チャンピオン 東洋太平洋
 (八王子中屋) 淵上 誠
ふちがみ・まこと

日本4位
細川貴之 (六島) 
ほそかわ・たかゆき
1983年7月30日/鹿児島県阿久根市 生年月日/出身地 1984年12月14日/大阪府八尾市
180p 身長 174p
12戦5勝7敗 アマ戦績
2004年6月12日 プロデビュー 2002年12月20日
22戦16勝(7KO)6敗 プロ戦績 29戦18勝(4KO)8敗3分
左ボクサー タイプ 左ボクサーファイター

 6月に防衛に成功した淵上誠が2ヶ月を切る短いインターバルで3度目の防衛戦に臨む。相手は2002年デビューで念願のタイトル初挑戦になる細川貴之。王者の淵上はタイトル獲得後に安定感が増し、前回の防衛戦でも独特のタイミングで田島秀哲(西遠)のアゴを叩き割り、5回TKOに破っている。短いスパンでの防衛戦を積めるのは、体調面のよさと自信の表れだろう。
 対する細川も関西の選手ながら後楽園ホールにはたびたび登場している。全日本新人王、B級トーナメント、最強後楽園に出場し、いずれもとあと一歩で優勝を逃してきたのだ。挑戦者は今回のチャンスに向けて、前WBA世界スーパーウェルター級暫定チャンピオンの石田順裕とともにアメリカ・ロサンゼルス近郊のアステカジムで3週間のスパーリングキャンプを敢行。全米アマチュアチャンピオンらと手を合わせて自身初のミドル級での戦いに備えている。勝敗を予想すれば、ミドル級での実績があるチャンピオンに傾く。順当にいけば淵上の後半ストップか判定勝ちが妥当なところだろう。しかしながら、挑戦者も王者の懐に飛び込んで右アッパーから左ストレートを当てるなどして乱戦に持ち込めれば、勝機が見いだせるかもしれない。
(西脇)
8月8日 東京・後楽園ホール 日本・東洋太平洋スーパーウェルター級タイトルマッチ

チャンピオン WBA7位
 (八王子中屋) チャーリー太田
ちゃーりー・おおた

日本1位・東洋太平洋1位
柴田 明雄 (ワタナベ) 
しばた・あきお
1981年8月24日/米国ニューヨーク 生年月日/出身地 1981年11月19日/神奈川県
168p 身長 183p
7戦7勝 アマ戦績
2006年5月28日 プロデビュー 2003年8月29日
19戦17勝(2KO)1敗1分 プロ戦績 23戦16勝(8KO)6敗1分
右ボクサーファイター タイプ 右ボクサー

 「再戦」への興味は、初戦の内容の如何による。ウォード対ガッティ、マルケス対バスケスみたいに初戦で五分の激闘を演じてしまうと、再戦はファン垂涎の好カードだ。では、日本の重量級におけるこのリマッチはどうだろう。初戦が急転直下の大逆転劇だったから、今回も、ちょっと目を離したスキに「何か」が起きる可能性がある。
 チャーリーは2010年3月、柴田を8回TKOに破って二つのベルトを手に入れたのだった。その試合、前半は柴田が見事なヒット・アンド・アウェーで支配していた。充実期にあった野中悠樹(尼崎)を敵地で攻略してベルトを持ち帰った柴田の自信のほどがみてとれた。隆々とした体でぐいぐい前に出てくるチャーリーを、ひらりとかわして長身から軽く右ストレートをヒット。そんな形で、チャンピオンがはっきりと自分のペースで戦っているように見えたのだ。ところが、7回になって急に情勢が変化する。おそらくオーバーペースだったのだろう、疲れてプレッシャーを御しきれなくなってきた王者が打撃戦に応じざるを得なくなる。となると、挑戦者の土俵の上。弾丸のようなパンチがさく裂し、なぎ倒すようにダウンを奪ったチャーリーは、立ち上がった相手にパワーで追い打ちをかけてレフェリーストップを呼び込んだ。大逆転の、王座交代劇だった。
 その後、チャーリーはOPBFの初防衛戦で無敗の豪州人キング・デビッドソンを2-1の判定で破り、強打のサウスポー・湯場忠志を僅差3-0、9回TKOと2度下して、東洋4度、日本3度の防衛に成功している。この再戦までに増したキャリアの厚みを考えれば、日本人相手に3連勝で日本1位・東洋1位まで復活してきた前チャンピオンよりも、現チャンピオンはずっと先を行く。圧倒的なパワーも魅力だ。が、デビッドソン戦では初回にダウンを喫し、湯場との2戦も序盤に出遅れるなど、安定感にかけるところがチャーリーにはある。柴田にはだから、付け入るスキは十分にある。現王者が世界7位の肩書きに相応しくがっつり返り討ちに仕留めるのか、雪辱に燃える前王者が今回は翻弄し切って見せるのか…目を凝らして見守ろう。
(宮田)
8月6日 東京・後楽園ホール フェザー級8回戦

元WBAスーパーバンタム級王者・現3位
 (横浜光) 李 冽理
り・れつり
元日本スーパーバンタム級王者
日本スーパーフェザー級4位

福原 力也 (ワタナベ) 
ふくはら・りきや
1982年5月2日/大阪府 生年月日/出身地 1978年12月18日/東京都
174p 身長 173p
50戦42勝(20KO・RSC)8敗 アマ戦績 なし
2005年9月20日 プロデビュー 2000年6月27日
20戦17勝(8KO)2敗1分 プロ戦績 30戦24勝(18KO)5敗1分
右ボクサーファイター タイプ 右ボクサーファイター

元WBA世界スーパーバンタム級王者の李冽理がメインに登場。1月、下田昭文(帝拳)にタイトルを奪われてからの再起戦で、いきなり元日本王者の福原力也と激突することになった。
 再起戦、ましてや世界タイトルマッチの初防衛戦に失敗した直後ということを考えれば、もう少し楽な相手を選ぶのが常道であろう。しかし、あえて福原というビッグネームとの対戦を承諾した陣営には拍手を送りたい。フェザー級で再度世界を目指すのであれば、福原レベルの相手に勝利できないようでは話にならない。そんな心意気が伝わってくるからだ。
 福原が手ごわい相手とはいえ、元世界王者の格が上なのは間違いない。下田戦ではサウスポーへの意外なほどの苦手意識を露見したが、オーソドックススタイルに対してなら、李の実力は十分に信用できる。福原の強打を空転させ、距離を支配してポイントを集めれば、李が言うところの「無難な勝利」を手にできるはずだ。
 対する福原は背水の陣だ。初めて日本タイトルを手にしたのが05年だから、もう6年の前の話になる。スタイリッシュなハードヒッターでルックスも抜群。一時はスター候補と期待されたが、ここ最近は東洋太平洋王座決定戦、日本王座決定戦とスーパーフェザー級のタイトルマッチに相次いで敗れ、かつての勢いを失った。
 今回、1階級下げて勝負を挑むのは決意の現れだろう。パワーとパンチ力なら李よりも上。曲者の元世界王者に勝利すれば、言うまでもなく再浮上となる。両者にとって負けられない一戦だ。
(文/渋谷淳)
8月6日 東京・後楽園ホール 東洋太平洋ミドル級タイトルマッチ

チャンピオン WBC8位・WBA6位
 (帝拳) 佐藤 幸治
さとう・こうじ

同級9位・日本3位
氏家福太郎 (新日本木村) 
うじいえ・ふくたろう
1980年12月11日/福島県 生年月日/出身地 1980年12月18日/東京都
 180p 身長 176p
136戦133勝(101KO・RSC)3敗 アマ戦績 なし
2005年4月8日 プロデビュー 2000年8月2日
 20戦19勝(17KO)1敗 プロ戦績 25戦16勝(11KO)8敗1分
右ボクサーファイター タイプ 右ボクサーファイター

 李対福原のセミファイナルには、東洋太平洋ミドル級王者の佐藤幸治(帝拳)が登場する。氏家福太郎(新日本木村)を迎えてのV2戦だ。
 国内で敵なしと言われ、無敗のまま世界挑戦したのが3年前。満を持して敵地ドイツに乗り込み、フェリックス・シュトルムに完敗して以来、そのファイトはどうにも「ふっきれないなあ」という印象を強く残している。
 その原因がモチベーションの維持にあるのか、あるいはボクシングを改革する上での迷いなのか。はっきりしているのは、もし佐藤が世界再挑戦をしたいのであれば、国内の選手を相手にふがいない試合は許されないということだ。
 氏家は日本タイトル挑戦に2度失敗しているとはいえ、1発と意外性を秘めたなかなか面白いチャレンジャーだ。佐藤がいま一度その実力を証明するにはうってつけの相手である。
(文/渋谷淳)
8月4日 東京・後楽園ホール 日本スーパーフライ級タイトルマッチ
チャンピオン・WBC3位・WBA5位
(協栄) 佐藤 洋太
さとう・ようた
日本4位
石崎 義人(真正)
いしざき・よしひと
1984年4月1日/岩手県 生年月日/出身地 出身地 1982年3月3日/兵庫県
171p 身長 169p
32戦22勝(2KO・RSC)10敗 アマ戦績 90戦65勝(17KO・RSC)25敗
2004年2月16日 プロデビュー 2008年8月2日
24戦21勝(11KO)2敗1分 プロ戦績 8戦6勝(4KO)1敗1分
右ボクサーファイター タイプ 右ボクサーファイター

 日本スーパーフライ級王者の佐藤洋太が4度目の防衛戦を挑む。当初は東洋太平洋王者の赤穂亮(横浜光)と頂上対決する予定だったが、赤穂にけがによりキャンセル。代打出場の石崎義人と防衛戦を行うことになった。
 居並ぶ日本王者の中でも最も充実したチャンピオンではないだろうか。昨年から翁長吾央(大橋)、中広大悟(広島三栄)、福本雄基(三谷大和)、河野公平(ワタナベ)と世界挑戦経験者2人を含む強豪を相次いで撃破。単に勝利しただけでなく内容も濃かった。
 ジャブを主体にしたスピーディーな正統派でありながら、駆け引きや間合いの取り方はいい意味でいやらしく、出てくる相手でも、出てこない相手でも苦にするところがない。強いて言えばもう少し体の軸をしっかりさせてパワーがついたら……。とにかく個人的には大きな期待を寄せているチャンピオンなのである。
 赤穂との対戦が決まったときは「おおっ!」と勇気あるマッチメークに興奮したものだが、流れてしまったものは仕方ない(次回にでも実現させてほしいけど)。とにもかくにも石崎との防衛戦である。
 石崎はアマチュアの元全日本フライ級王者。プロに入ってからの戦績は8戦6勝(4KO)1敗1分。攻守にバランスの取れたボクサーだと思う。ただし、自身がタイトル初挑戦、加えてジム初の日本王者誕生をかけた挑戦であることを考えると、佐藤を相手に力を出し切るのは難しいと言わざるを得ない。
 佐藤はあの半身の構えからジャブを繰り出し、石崎の力量を計算しながらペースをコントロールしていくはずだ。序盤にペースを握ってしまえば中盤のKOも十分にある。
(文/渋谷淳)
8月4日 東京・後楽園ホール 東洋太平洋ウェルター級タイトルマッチ

チャンピオン 日本同級チャンピオン
 (協栄) 渡部 あきのり
わたなべ あきのり 

東洋太平洋1位 韓国同級チャンピオン
梁 正勲(韓国)
Yang Jung Hoon
1985年7月10日/埼玉県 生年月日/出身地 1985年2月19日/韓国・ウルサン
175p 身長 172p
20戦15勝(6KO・RSC)5敗 アマ戦績
2004年2月16日 プロデビュー 2009年1月30日 
26戦22勝(20KO)4敗 プロ戦績 8戦6勝(2KO)2敗 
左ボクサーファイター タイプ

 佐藤対石崎のセミファイナルは、東洋太平洋ウエルター級王者、渡部あきのりの初防衛戦だ。日本王者でもある渡部だが、今回は東洋太平洋タイトルのみをかけて韓国の梁との対戦となった。
 15連続KO勝利の日本タイ記録を打ち立たあとに3連敗を喫するなど、苦労してタイトルを手にした渡部。勝っても負けてもKOというスリリングな試合で我々を楽しませてくれているが、そろそろ安定感のある試合を見せたいところ。相手が格下と思われる選手だけに、派手なKOでメインの佐藤へつなぐ……なんて考えてガチャガチャになってしまうのが渡部の悪いところなので、彼の場合「無理しないで判定」くらいの気持ちの方がいい動きをするかも。
(文/渋谷淳)
Archive
 2011年5月
 2011年6月
 2011年7月
 2011年8月