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Boxing-Zine

ジムへ行こう!!!
  プロボクサーを目指す人は迷わず日本プロボクシング協会加盟のジムへ。
じゃあ健康志向の人は…スポーツクラブとボクシングジム、どちらに行きますか? ボクシングジムってなんとなく…コワい?キビシい?クサい?… プロ選手の邪魔にならない? ちゃんと教えてもらえる? そんな心配をして二の足を踏んでいる方、一度、そのドアを開けてみてください。老若男女プロアマ問わず、たくさんの人が熱気の中で拳を放っている姿を目にすることができるでしょう。
本欄では、ボクシングジムってどんなところなのか、ほんの少しずつ、その世界をご紹介していきます。
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 横浜光ジム
                     〜横浜・鶴見〜
みんなの力で新たな歴史 
 
                                取材・文 宮田有理子  写真 山口 裕朗
            
 
 2012夏の陣は、みごとな勝ち戦だった。まずは8月13日、東洋太平洋スーパーフライ級チャンピオンの赤穂亮が、プロ5戦目のホープ戸部洋平(三迫)を8回TKOに下し、3度目の防衛に成功した。注目を集めたカードだっただけに「大きな勝利です。赤穂はこの戦いに負けたらもう後楽園を歩けなくなる、くらいの覚悟でしたからね。でも赤穂にとってだけじゃなく、光ジムにとっても、ただのタイトルマッチじゃなかったです」と、試合後、控え室で石井一太郎会長は胸をなでおろした。そして9月1日には、赤穂の弟分、金子大樹が33歳のベテラン佐藤通也(石丸)を圧巻の2回KOで粉砕。誰もが苦しむ初防衛戦を、まったく危なげなくクリアしてみせた。選手たちとともに忙しい夏を過ごした石井会長としては、ほっと一息つきたいところだろうが、多忙な日々はエンドレス。次の大一番は10月20日、日本ミドル級2位の胡朋宏と、日本フライ級5位の池原繁尊が出場する最強後楽園・日本タイトル挑戦権獲得トーナメント決勝がまっている。
 セコンドにつく姿には貫録すら感じられる石井会長だが、実はまだ30歳になったばかり。3年ちょっと前まではリングに上がっていた、むしろ、絶頂期にいたといっていい。かのロイヤル小林の薫陶をうけた左フックでファンを魅了し、日本、東洋太平洋のライト級王座を獲得。いよいよ時代をつくるかと思われたが…2009年4月、三垣龍次に日本王座を奪われると、グローブをつるした。「ランディ・スイコに勝った時は一瞬、世界、っていう夢を見ましたけれど、すぐ現実に戻りました」。あと2カ月で27歳という、早すぎる、潔すぎる引き際だった。引退後はトレーナー、会長代行となった。そののちWBA世界スーパーバンタム級王者となる李冽理はじめ池原、赤穂、金子、胡、谷口浩嗣らいま活躍する多くの選手は、ともにジムで汗を流した仲間。だから「会長」というよりは、兄貴的な存在、という雰囲気である。
 そんな若きリーダーの下、順風満帆にみえる横浜光ジムだが、昨年5月は、存亡の危機にあった。大黒柱、宮川和則会長が急逝し、運営基盤を失うことになったのだ。しかし、残った人間の結束は固かった。練習生の中にはさまざまな分野のスペシャリストがいて、そんな人生の先達たちが、ジム続行を決意した石井新会長や選手をバックアップしようと立ち上がった。
「ほんとに、みなさんのおかげです。アイデアや人脈、財力や行動力のある方々が、改装や新たな設備を入れてくださったり、みんな会員さんたちのご厚意です」と石井会長は言うが、それは人望あってこそだろう。
 以来、ソフト面もハード面もさまざまな改革を行った。老若男女をとわず練習生を積極的に受け入れ、サンドバッグもフィットネスマシーンも補充。経験豊富な熱血漢、佐々勤トレーナーに加えてフィジカルのスペシャリスト、岡正和トレーナーを迎え、池原と胡は交代で練習生の指導にもあたる。これが「すこぶる好評」なのだそうだ。選手と練習生のコミュニケーションが増え、試合があれば会場へ大挙するようにもなった。有名ブランドのデザイナーに依頼した、あたらしい光ジムTシャツ・パーカーは、街着としてもかなりイケている。みなそれを着て、後楽園ホールのリングサイドに陣取る。先代のころにはみられなかった光景だ。
 1995年4月に横浜・鶴見の地に誕生。宮川オーナーの下、往年の名選手、元東洋フェザー級チャンピオン関光徳を会長として、畑山隆則、新井田豊、李冽理ら世界チャンピオンを輩出し、栄光の時代を築いた横浜光ジム。あとを引き継ぎ、たくさん支えを得て大きな試練を乗り越えた若き敏腕会長は、折に触れて二人の墓前に報告しつつ、この鶴見の地であらたな歴史をつくっていく。
「高校1年の時からここに通って、愛着のあるジムなんです。これからもずっと鶴見で。もっと地元密着でいくつもりです」

 ワンフロア100坪に、試合サイズのリングがしつらえらえた贅沢な空間


フィットネスジムも顔負けの最新鋭ランニングマシーンが4台
テレビを見ながら時を忘れて汗を流せる


大小さまざまな形状のサンドバッグがずらり。
練習生がどんなに増えても問題なし!


充実のトレーニングコーナー。
フィジカルのスペシャリスト岡正和トレーナーの指導も大好評
 
なんということでしょう、バルコニーには手作りの用具干し場が…

新デザインの光ジムTシャツ。購入ご希望の方は光ジムへお問い合わせを!
GYM DATA

横浜光ボクシングジム

所在地 : 〒230-0061 神奈川県横浜市鶴見区佃野町29-38三晃ビル3F
電話番号: 045-584-7661 FAX番号: 045-584-7661
※JR・京急鶴見駅西口から徒歩8分 レアールつくの商店街内
営業時間 休業日: 月曜〜土曜 12:00〜22:00
日曜・祝日  12:00〜18:00
※年末年始・夏季・ゴールデンウィーク中など一部期間、
また選手の試合スケジュールにより練習時間が変更になる
場合があります。
費用: 入会金:新規 10,500円 家族割(配偶者・親子) 5,250円
月 謝:成人男性 12,600円
     成人女性 8,400円
     学生 8,400円
     小・中学生 6,300円
     チケット会員 12,600円/5枚

メールアドレス: info@yokohama-hikari.jp
ホームページ: http://www.yokohama-hikari.jp

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