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Boxing-Zine


 3月3日 東京・後楽園ホール 日本バンタム級タイトルマッチ
日本チャンピオン 東洋太平洋1位
岩佐 亮佑(セレス)
※岩佐は初防衛に成功
[KO1R3'00''] 日本2位 東洋太平洋8位
村井 勇希(グリーンツダ)
1989年12月26日 千葉県柏市 生年月日/出身地 1979年7月11日 大阪府堺市
170p 身長 172p
66戦60勝44KO・RSC6敗 選抜・インターハイ・国体の三冠 アマ戦績・実績
2008年8月 プロデビュー 1998年2月
12戦11勝8KO1敗←11戦10勝7KO1敗
2010年最強後楽園優勝
2011年3月、日本王者・山中慎介に挑み、10回TKOで敗れる
同年11月、ゼロフィット・ジェロッピ瑞山に判定勝ちで空位の王座に就く
プロ戦績・実績 39戦20勝(6KO)15敗4分→40戦20勝6KO16敗4分
2000年西日本新人王
2006年ABCOタイトルに2度挑戦。ともに12回判定負け。
左ボクサーファイター タイプ 右ボクサーファイター

 日本の次代を担うホープ岩佐亮佑が初防衛戦で、前回の王座決定戦の相手ジェロッピに続き大ベテランを迎える。ちょうど1年前、9戦目で迎えた初のタイトル挑戦では、現WBC王者山中慎介に序盤から果敢に挑むも10回TKO負け。初黒星を味わった。が、この大善戦によってポテンシャルの高さを改めて示したことも間違いない。そして今回の相手をすっきりと退けることができれば、評価はさらに上がるだろう。
 昨秋、山中が返上したタイトルをジェロッピと争った岩佐は、明白な判定勝ちではあったがベテランの技巧に持ち前の左強打は封じられた。今回はどうだろう。デビュー15年目で初めて日本王座挑戦のチャンスをつかんだ村井は、イージーな相手ではない。負けが込んだ時期もあったが、対戦相手の名前に日本タイトル、世界タイトル経験者の名がいくつも並ぶ39戦の中で、一度もKO負けをしたことがないというのだ。このところ4連勝と快調で、待望の舞台に上がるモチベーションの高さも、脅威だ。
 スピード、パンチ、決定力、個々の要素で上回る岩佐の勝利は堅そうだが、完勝、快勝できるかが関心事。2005年以来の後楽園ホール登場となる村井はどれくらいホープを苦しめるのか、またキャリアの終盤に大きなクライマックスをつくるのか。楽しみなカードである。
(みやた)

開始から村井が忙しく上体を振りながら立ち位置を変えていたが、岩佐は冷静に見切って左を狙っていく。そして初回終了間際、ステップインして放ったワンツーがジャストミート。ショートレンジでまともに食った村井はキャンバスに落下。なんとか立ち上がったものの足を前に出そうとするとくにゃっと脚が折れて再びキャンバスへ。その間にレフェリーのカウントが10に達した。村井は40戦目で初めてのKO負けとなった。タフなベテランを相手に苦戦も予想された岩佐だが、見事な一撃KO勝ちを収め、前回のジェロッピ戦の印象を払拭した。「試合前からパンチのキレがいいなと思ってはいたけれど、まさか1ラウンドで終わるとは…。でも最後のパンチに手ごたえはありました。相手は頭ふって来るとは思っていて、実際、こんなもんかな、っていう感じ。今日は自分のボクシングをすることを課題にしていました。肩の力も抜けていてよかったと思う。ただ、もうちょっと戦いたかったけれど」という岩佐。今後はもう少し日本王座防衛戦でキャリアを積む方針と、小林昭司会長は語っている。